2011年は「1ドル70円台」の可能性も

2011年は「1ドル70円台」の可能性も

2011年の米国経済をどう見ますか?

 

2010年11月の小売売上高が市場予想を上回り、これで5ヵ月連続増となったことなどから2011年の米国経済を楽観視する人が多いのですが、中長期で見た場合はいかがでしょうか。米国の金融システムは2007〜2008年にかけて一度崩壊しました。不良債権も相当残っているでしょう。銀行は現在も貸出には積極的ではありません。一方、個人の債務残高は約H兆ドルと可処分所得の120%にあたる高水準のまま。消費度向は、中長期では弱いと見ています。

 

現在、米国経済が盛り返しつつあるように見えるのは、量的金融緩和の第2弾(Quantitative Easing2:QE2)や大型所得減税(ブッシュ減税)の延長など金融・財政政策がフル稼働しているからであり、米ダウ平均が2008年秋以来の高値をつけたのも期待感の表れといえます。

 

しかし、一連の積極財政政策の継続によって米国のバランスシートは今後ますます傷んでいくでしょう。資産購入によって市場金利の低下を目指すQE2に踏み切ったにもかかわらず足下の長期金利が上昇傾向にあるのは、マーケットが中長期の財政赤字懸念に注目しているためです。バランスシート不況と呼ばれた1990年代の日本に似た状況といえます。

 

当時の日本も財政政策を次々と繰り出しました。もちろん一時的な効果はありましたが、中長期の経済低迷トレントを逆転するまでに至らなかったのは周知のとおりです。さらに連邦政府だけでなく、州政府の財政も極端に悪化している点も心配です。連邦政府がいくら刺激しても、州政府が連動しない状況では効果は限られます。米経済学者のポール・クルーグマン氏は最近の論文で「米国は暗くなった」と指摘していました。州政府の緊縮財政のあおりで街灯の数が減ったことに引っかけ、米国経済の先行きに警鐘を鳴らしているのです。道路や教育など基本インフラの整備にお金が回らないほど州政府の財政が立ち行かない現状を見ると、米国は難しい構造問題を抱えていると言わざるを得ません。

 

米国のバランズシ−トが傷んでいるときに金利が上がるというのは大変な事態です。市場金利を下げる狙いでQE2を実施したのに金利が上がっている現状は、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長にしても、ガイトナー米財務長官にしても予想外の結果ではないでしょうか。米国人を含め、マーケットは米国の構造問題を危惧しているのです。

 

米国経済め今後を見通す上では「危険なサイン」ですね。

 

積極財政政策を打ち出したこのタイミングでの金利上昇はかなり危険なことですよ。

 

次に欧州ですがミ2010年はユーロクライシスの懸念が為替相場で高まっています。

 

ギリシヤやアイルランドなどの財政悪化が注目されましたが、結果としてユーロは崩壊しませんでした。国際通貨基金(IMF)が欧州中央銀行(ECB)を通じて大量の資金供給を実施したり、別途ファンドをつくって危機に対応するなどの一連の処置が奏功して、ギリシヤやアイルランドなどの財政危機が欧州崩壊につながることは食いとめた格好です。

 

戦後の欧州はドイツとフランスを欧州中心銀行を設立したり統一通貨ユーロを発行させるなどして統合作業を進行してきました。しかし、現在の欧州でこれまで半世紀以上にわたって積みあげてきた前向きな統合プロセスが逆転さています。欧州はギリシヤの前にラトビアの経済が悪化し、IMFが緊急融資しています。今度はスペイン国債の格下げの噂がでいるなど南欧にも波及する可能がでてきました。財政再建が至上命題となり、ドイツですら引き締めに動くよようになっています。欧州経済は悪い状況がしばらく続くと見ています。

 

トリシエECB総裁のスタンスを見ていると、最初は消極的でしたが、最近は危機の根深さを認識してうまくコーディネートしている印象を受けます。問題はドイツです。メルケル言相とドイツ議会が危機救済に向けてど乃くらい協力できるかを疑問視する向きよかなり強いようですね。

 

ユーロ各国の金融政策はすでに一体化しているわけですから、危機救済とはイコール財政支援を意味します。ギリシヤやアイルランドをなぜ我々が助けなければならないんだという不満が根強い点は今後の不安要素といえます。そこはフランスなどと協力して極力避けるのではないでしょうか。ユーロ崩壊はEU崩壊であり、ドイツをはじめすべての加盟国が甚大なるネガティブな影響を被りますからね。 ドイツ国民はお金を出したくない、しかしユーロ崩壊は何とか食い止めなければならない。2011年の欧州経済はこのせめぎ合いが続くのではないでしょうか。着地点としては、ドイツやフランスをはじめとした欧州の金融機関にとっては大きな痛手になると思いますが、ギリシヤやアイルランドの債務の一時的な棚上げも有力な選択肢の一つと見ています。

 

2011年は次第に新興国も悪くなっていく。世界同時不況はすでに始まっている。

中国もインドも経済はバブル状態にあり、金融当局が引き締めにかかっています。中国については10%超の経済成長が続いてきましたが、これが8%近くまで落ちる可能性があります。おそらく当局もそのレベルに落とそうとしていると思われます。

 

一方、中国の国内総生産(GDP)の4割は輸出です。欧米経済の低迷は、いずれ輸出の落ち込みという形で中国経済に波及します。インドもインフレが進行しており、これを抑えるためには相当金融を引き締めなければなりません。成長率は自然と落ちるでしょう。 2010年の経済環境は、新興国が良くて先進国は悪いとの構図でしたが、2011年は次第に新興国も悪くなっていくと見ています。世界同時不況はすでに始まっているといえるのです。

 

日本のデフレや中国のインフレは本格的なグローバライゼーションの一つの現象ととらえるべきだと考えます。世界の貿易や投資が一体化を強める過程では、モノの価格は緩やかながらも収れんしていきます。必然的に日本をはじめとした先進国では従来よりもモノの値段が下がり、対する中国などの新興国ではモノの値段が上がっていきます。中国の金融当局のマネジメントだけでうまく対処できるかどうか。

 

加えて、米国や欧州などの先進国が景気浮揚を狙ってマーケットに資金をどんどん供給しています。そのお金が経済発展著しい中国やインドなどの新興国にも抑えて、自国の経済成長を安定軌道に乗せるのは大変だと思います。金融を引き締めて上手くコントロールするのはどこの国でも難しいでしょう。

 

とくに中国の場合は共産党が政策全般を取り仕切っており、党内人事は最高幹部である9人の常務委員を含めてすべて順列化されています。共産党の下に各省庁があって、政策実務はそこのテクノクラート(官僚)たちが担っています。中央銀行である中国人民銀行の周小川総裁や日本の金融庁長官にあたる中国銀行業監督管理委員会の劉明康主席は私もよく知っています。しかし、彼らの共産党内の序列は低い。「ウミガメ派」と呼ばれる米国留学経験のある優秀なテクノクラートが増えているものの、長老支配と呼ばれる伝統的な政治パワーはまだ強い。中央銀行も金融当局も共産党の支配下にあるのが中国なのです。思い切った金融政策はなかなか打ち出せないのが現実ではないでしょうか。中国経済の行く末については、私自身はバブルが膨らみいずれはじける可能性のほうが高いと見ています。

 

一概にそうとも言い切れないところに中国との付き合い方の難しさがある。例えば、周小川総裁は温家宝首相に近いといわれています。有力なテクノクラートはそれぞれ独自の共産党人脈を持っています。バックにいる人物の党内の序列や関係性の近さなどによっては、テクノクラートの発言といえども重みが出てくるといえるでしょう。

 

 

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前日の為替相場の欧米市場では新規材料が乏しかったことや経済指標の発表もなかったことから、総じて小動きとなった。ロックハート・アトランタ連銀総裁が米国経済に対して慎重な見方を示したことを受けドル売りが優勢となり、ドル/円は一時84円台を割り込んだが、下げ幅も限定的で84円台を回復した。また、7日の欧州中央銀行の理事会を控え、利上げ観測が強まっているユーロは対ドル、対円で堅調に推移した。為替ディーラーも難しい為替相場展開であったようだ。